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2013年2月21日木曜日

第148回芥川賞、舞城先生ご落選の後日談。今まで以上に厳しい選評でしたね。


文藝春秋が書店に平積みされていたので、ざっくりと芥川賞の選評を眺めてきた。我らが舞城王太郎先生、コテンパンですやん(汗)

宮本輝氏の牙城を崩すのは容易ではないと思っていたけど、他の選考委員からも厳しいご意見が……。
ノミネートされた『美味しいシャワーヘッド』(キミトピアに収録)は、決して完成度の低い作品ではないと思うのだけれど、今回はライバルも、かなり癖が強かったですね。あの中に並ぶと、舞城節もなんだか普通に思えてしまいます。

2013年1月25日金曜日

第148回芥川賞発表!舞城王太郎、四度目の正直ならず


一月十六日の芥川賞発表から、だいぶ日が経ってしまいました。
わたしが好きな舞城王太郎もノミネートされていましたが、結果は皆様ご存知の通り“受賞ならず”でした。

落ち着いてから言及しようと思っている間に、もう十日が経ってしまいました。それだけ、わたしの中で、芥川賞の位置づけが、急を要するものではなくなったという事でしょうか。(単にブログの更新をサボっていただけですな)

2013年1月14日月曜日

【二五五文字書評】冥土めぐり/鹿島田真希



かつての高級リゾートホテルへの旅を通じて、記憶の中の冥土をめぐる物語。過去の栄華に執着しする、俗人としての母と兄。そして対極に位置づけられた、聖なる愚者としての夫。解りやすい二極化で描き出すのは、受け入れる事で理不尽に順応する主人公と、受容する価値への気付き。しかし物語の根幹の「受容」の部分を、うまく咀嚼することができなかった。抗いきれない理不尽には、受容することで対処するしかないのだろうが、主人公があまりに受け身で息苦しく感じた。しかし、本人がそこに幸せを見いだせるのならば、それで良いのかもしれない。

2012年9月28日金曜日

【二五五文字書評】ハリガネムシ (文春文庫)/吉村萬壱


芥川賞受賞作。ネットで「花村萬月と見分けがつかん」的な書き込みを見かけた。『クチュクチュバーン』しか読んでいなかったので「名前が似てるだけやん」と思っていたのだが、本作を読んでわたしも「見分けがつかん」との感想を持った。作風も似てました。人間の“恥”の部分というか“垢”というか“澱”というか……直視したくない部分を、性と暴力で赤裸々に描き出そうとしているのは解るのだが、どうしても花村萬月と比べてしまうし、やはり花村萬月の方がシャープで深くえぐっている印象がある。『クチュクチュバーン』の路線の方が好きかも。

2012年9月8日土曜日

舞城王太郎の芥川賞落選後日談。村上龍が「なんで短編集をノミネートすんだよ!」と怒ってた件。


文藝春秋九月号を、やっと読むことができた。第一四七回芥川賞発表が特集されている号だ。
この号には芥川賞受賞作が全文掲載されているのだが、実は受賞作の掲載には興味がなく、“芥川賞の選評”こそが目当てであったりするのだ。

ここで誤解なき様に言っておくのだが、受賞作の掲載に興味が無いというのは作品に興味が無いという意味ではなく、単行本で読むので文藝春秋で読む必要性を感じないという意味で興味が無いだけである。

……と言い訳をしたところで、本題に入ろう。

2012年7月18日水曜日

第147回芥川賞発表!舞城王太郎、三度目の正直ならず


予想通りの結果ではあるのですが……
舞城王太郎、三度目の正直ならずです。第147回芥川賞の受賞作が発表されました。

舞城ファンとしては、獲ってほしいような、獲らないでほしいような、微妙な気持ちで発表を待っていたのですが、やっぱり駄目でしたか、そうですか。芥川賞の「純文学の新人賞」という性格を考えれば、舞城の受賞は「いまさら」ですしねぇ……。
第147回芥川賞、直木賞の選考会が17日夜、東京で開かれ、芥川賞に鹿島田真希さんの「冥土めぐり」が選ばれました。また、直木賞には、辻村深月さんの「鍵のない夢を見る」が選ばれました。(芥川賞と直木賞 受賞作決まる NHKニュースより引用)

舞城先生にはこのまま、太宰治から連綿と続く「芥川賞を獲らなかったスゲー作家」として、高橋源一郎筒井康隆村上春樹たち諸先輩方に続いて華々しくご活躍いただき、後世の評論家達に「舞城に受賞させる事ができなかった芥川賞は、すでに形骸化している」などと今さらながらの論を打たせるに至り、「何をいまさら」と冷笑しつつノーベル文学賞でもサックリと受賞していただければと願う次第です。

2012年7月5日木曜日

三度目の正直なるか!? 舞城王太郎が芥川賞候補に


今回は獲るかなぁ……無理かなぁ……。
舞城王太郎ファンのわたし的には、うれしいニュースです。

第147回芥川賞候補作に、舞城王太郎「短篇五芒星」がノミネートされたようです。え?「やさしナリン」や「あまりぼっち」じゃないの!?

【芥川賞】戌井昭人「ひっ」(新潮6月号)▽鹿島田真希「冥土めぐり」(文芸春号)▽鈴木善徳「河童日誌」(文学界5月号)▽舞城王太郎「短篇五芒星」(群像3月号)▽山下澄人「ギッちょん」(文学界6月号)(初の平成生まれ受賞なるか 第147回芥川賞・直木賞候補作発表より引用)

舞城作品が候補作にノミネートされるのは、第131回(2004年上期)「好き好き大好き超愛してる。」、第142回(2009年下期)「ビッチマグネット」に続いて三度目。

三度目の正直で、今回は受賞するかなぁ……。

2012年5月15日火曜日

【二五五文字書評】共喰い/田中慎弥


芥川賞受賞会見での「もらっといてやる」で一躍有名に。流行物には飛びつかない主義だけど、「読んどいてやる」って感じで手にとってみた。結果、都知事閣下の評が的確だったという印象。あと、輝くんの評も的を射てた。陰鬱な物語も嫌いじゃないし、描写が巧い。でも、主人公や父の暴力性の根が見えず、巧く共感する事ができなかった。長編だと、もっと掘り下げて書くのだろうか。閣下の選評を一部引用→「田中氏の資質は長編小説にまとめた方が重みがますと思われる」。比較するのもアレだけど、俺は「目立たない方のカメレオン」の方が好きかな。

2012年5月13日日曜日

【二五五文字書評】笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)/笙野頼子


芥川賞、三島賞、野間新人賞の受賞作を、贅沢にも一冊にまとめた文庫。今まで食わず嫌いだったけど、お得感に負けて手にとった。純文学新人賞三冠王、メタの女王、純文学の守護神などと字される笙野氏。二つ名に負けることのないブッ飛びっぷり、恐れ入りました。三作の中では「二百回忌」を、一番楽しんで読むことができた。これくらい調子に乗ってる嘘話の方が好きだな。三作とも、特に「なにもしてない」などは私小説と捉えることもできるか等と思ったけど、そんな枠には収まらないかな。最近の作はまた作風が違うそうなので、また読んでみたい。

2012年4月15日日曜日

【二五五文字書評】道化師の蝶/円城塔


文書の美しさを楽しむ人に、良いのではないだろうか。物語に込められた意味を考察する人に、良いのではないだろうか。中途半端な私は、戸惑ってしまった……嫌いじゃないけど。幾重にも重ね合わせたレイヤーを、串刺しにしたような物語。人の掘り下げではなく、物語の構造や美しさで読ませる小説とでも言おうか。この作品が芥川賞を受賞したという事は、選者の中でも新しい血が必要との認識があるのだろう。保守的な読み手としては、もっと人物を掘り下げて欲しいと思ってしまう。何作か読めば、読み方も見えてくるだろうか。また読んでみたい作家。

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