2012年5月15日火曜日

【二五五文字書評】共喰い/田中慎弥


芥川賞受賞会見での「もらっといてやる」で一躍有名に。流行物には飛びつかない主義だけど、「読んどいてやる」って感じで手にとってみた。結果、都知事閣下の評が的確だったという印象。あと、輝くんの評も的を射てた。陰鬱な物語も嫌いじゃないし、描写が巧い。でも、主人公や父の暴力性の根が見えず、巧く共感する事ができなかった。長編だと、もっと掘り下げて書くのだろうか。閣下の選評を一部引用→「田中氏の資質は長編小説にまとめた方が重みがますと思われる」。比較するのもアレだけど、俺は「目立たない方のカメレオン」の方が好きかな。

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