2012年2月15日水曜日
【二五五文字書評】草の上の朝食 (中公文庫)/保坂和志
プレーンソングと同じく大きな事件は起きず、ただ日常が綴られていく。作中の「恋愛より豊かなものがいっぱいある」というセリフには大いに同意。恋愛至上主義的な風潮は、ちょっと疲れる。他の部分でも、同意できる主張は多く、空気感も含めて好きな作品。保坂氏の芥川賞受賞の際、大江健三郎が「やはり小説らしい物語をつくる意欲が必要では?」的な評を出していた。従来の小説になれた俺的にも、物語があったほうが良いように思うし、でもそうしてしまうと保坂氏の小説ではなくなってしまうし……好きなんだけど評価が定まらない、不思議な小説。
2012年1月31日火曜日
【二五五文字書評】プレーンソング (中公文庫)/保坂和志
小説とはストーリーありきだと思っていたのですが、どうやらそうでもないようで……。劇的な展開なんて何もないんだけど、それでもスルスルと読み進めることができる空気感。この感じ、なんと表現すれば良いんでしょう。もちろん、好きな感じなんですけど。心地よい空気感と裏腹に、「何をもってして小説とするのか」という根本的な質問を突きつけられたようにも感じました。気の許せる仲間たちと、生活をシェアする感覚……すごく懐かしいです。心のなかで眠っていたノスタルジアが、優しくゆり起こされました。猫好きには、たまらん小説ですよね。
2012年1月15日日曜日
【二五五文字書評】書きあぐねている人のための小説入門/保坂和志
書きあぐねてもいないし、それ以前に書いてすらいないんだけど、興味を惹かれて読んでみました。「物語の体操」以降、大塚英志氏が「小説を書く」という行為をテンプレート化しようと試みているけど、その対極にある入門書だと思う。小説に新しいものを持ち込もうとする姿勢、小説とは何かという問に真っ向から取り組もうとする姿勢は、わたし的にはかなり好きな感じです。テンプレート化できないところにこそ、本質が潜んでいるのだと。賛否両論、真っ二つに評価が割れる保坂氏の小説だけど、実はまだ読んだことないんですよね。今度読んでみよう。
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