2013年1月25日金曜日

第148回芥川賞発表!舞城王太郎、四度目の正直ならず


一月十六日の芥川賞発表から、だいぶ日が経ってしまいました。
わたしが好きな舞城王太郎もノミネートされていましたが、結果は皆様ご存知の通り“受賞ならず”でした。

落ち着いてから言及しようと思っている間に、もう十日が経ってしまいました。それだけ、わたしの中で、芥川賞の位置づけが、急を要するものではなくなったという事でしょうか。(単にブログの更新をサボっていただけですな)


舞城王太郎ノミネート作『美味しいシャワーヘッド』

前回のノミネート作は、『短篇五芒星』という短篇集でした。
当時、舞城ファンの間でも「なんで短篇集なんだよ!」と、総ツッコミがはいったものです。実際の選考でも、短篇集という様式の違いから、選考を棄権する選考員までいらっしゃった訳でして……落選すべくして落選したという感がありました。

しかし今回は、『美味しいシャワーヘッド』です。
ちゃんと中編です。わたしも新潮で読みましたが、タイトルにこそ舞城的なアレが漂っていますが、内容は他の候補作と並んでも決して引けをとらないであろうと感じました。文体はまぁ、個性として諦めていただくとして、「もしかしたら、今回はイケるんじゃね?」と期待が高まっていた訳です。

……でも、獲れませんでした。

わたしが言いたい事はずっと変わりませんので、以前書いたエントリからそのまま引用します。

舞城先生にはこのまま、太宰治から連綿と続く「芥川賞を獲らなかったスゲー作家」として、高橋源一郎筒井康隆村上春樹たち諸先輩方に続いて華々しくご活躍いただき、後世の評論家達に「舞城に受賞させる事ができなかった芥川賞は、すでに形骸化している」などと今さらながらの論を打たせるに至り、「何をいまさら」と冷笑しつつノーベル文学賞でもサックリと受賞していただければと願う次第です。(第147回芥川賞発表!舞城王太郎、三度目の正直ならずより引用)

選考委員から元都知事閣下はいなくなったけど、やっぱり宮本輝が大きな壁として立ちはだかっているのでしょうか。輝くん、どんな選評書いてるんだろう。今回もこき下ろしているのでしょうか(汗)

舞城作品は村上龍の影響下にあると思っていますので、村上龍の選評が楽しみですねぇ。
前回は、選考を棄権しちゃいましたしねぇ。一度は選考会を欠席してましたし。過去三回のノミネートで、まともに作品に対する選評を残したのは一回だけなんですよ。今回は正面から、評価しているのでしょうか。

いやー、選評を早く読みたいですねぇ。文藝春秋、早く発売されないかな!


黒田夏子先生、受賞おめでとうございます!

受賞作の黒田夏子『abさんご』は、円城塔作品に勝るとも劣らない難解な作品らしいので、読むのが楽しみです。

御歳七十五歳。過去最年長受賞者なのだそうです。
受賞会見での「生きているうちに見つけてくださいまして、本当にありがとうございました」という言葉が、印象的でした。

一作品書き上げるのに、十年の歳月をおかけになるそうで……失礼ながらご存命中にあと何作品拝読できるのかと不安になりますが、今まで書き続けてこられた作品がいくつも在るとのこと。千枚超の大作もお持ちのようですので、楽しみですね!


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