2013年3月23日土曜日

【二五五文字書評】粘膜人間 (角川ホラー文庫)/飴村行


これは、ホラーなんだろうか。もっとこう幻想的で叙情的な……あえて言うなら、エログロ・スプラッタ・ファンタジー!? てな感じで、ジャンルすらよく判らない位に、よくできた物語だと思う。時代は戦中のようだけど、民話や神話の如き世界観で、何処に連れて行かれるのか、何処まで振り回されるのか、着地点が見えない展開に引き込まれる。グロテスクな表現も多いのだけれど、世界観で中和されている感があり、その点は残念に思った。私の想像力が、民話的世界にまで及ばないだけの話ではあるのだけれど。好き嫌いで問われれば、好きな物語です。

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