2012年3月6日火曜日

【二五五文字書評】最後の家族/村上龍


【ネタバレ有】村上龍らしからぬ清々しいい読後感。でも自立をもって救いとする辺りは、村上龍らしかも。あとがきに「誰かを救うことで自分も救われる、というような常識がこの社会に蔓延しているが、その弊害は大きい」とある。相手を救おうとする時点で、相手を対等な人間として見ていない……これが本作で重要な視点であろう。自立こそが身近な人の救いになるという事なのだが……やはり若干の疑問が残る。一方向ではなく、相対する論も盛り込んであれば、素直に納得できたかもしれない。話が出来過ぎてる感はあるけど、やっぱり巧いわ。村上龍。


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