舞城王太郎『私はあなたの瞳の林檎』。驚いたのは、いわゆる“舞城的虚構”を使わずに、純愛を描ききっていたこと。破天荒な舞城節が好きな人からは「物足りない」と評されるかもしれないが、わたしはとても良いと感じた。「これ、俺のことを書いているんじゃないか?」と錯覚するほどに、シンパシーを感じる物語だった。甘酸っぱいし、切ないな。/中条省平氏による『短篇五芒星』書評。五編の短編は五芒星に配するのではなく、『四点リレー怪談』を中心に四編を四角く配するが妥当との論には、思わず膝を打った。しかも二編づつ、対になっている。
以下、蛇足
中条省平氏による『短篇五芒星』の書評は、ウエブでも読めるようですよ。>> 【世界の理不尽に立ち向かうモラルの書】