2012年6月25日月曜日

舞城王太郎に挑戦しようと思った人に、オススメしたい四冊


密かに舞城王太郎の波がきてると感じるのは、わたしだけでしょうか。好きな作家さんがメジャーになっていくのは、嬉しくもあり、悲しくもあり……複雑な気分ですけどね。

それでも、興味を持った人がいれば、全力でオススメしたくなるのがファン心理。あちこちで舞城、舞城言ってるせいか、最近「どれから読めばいいの?」と尋ねられる機会も増えました。えぇ、オススメしますとも……全力で!☆

舞城王太郎も、デビューからもう十年以上が経ちました。寡作だと言われる舞城王太郎ですが、十年も経てばそれなりの作品数になっております。その中から初めて舞城を読む方でも、ヤケドしない四冊を選んでみました。


舞城初挑戦にオススメの四作品

比較的、文学よりの作品の方が、入りやすいんじゃないかと思います。
純文学雑誌に掲載された作品から、四冊選んでみました。

いずれもエログロ成分低めの、比較的「綺麗な舞城」となっております。……が、そこはやはり舞城ですから、完全に綺麗って事はないですが(笑)

家族をテーマにした短篇集、「スクールアタック・シンドローム」が、一番入りやすいかもしれません。

わたし的には、愛をテーマにした「好き好き大好き超愛してる。」が好きです。この作品、芥川賞の候補になりましたが、残念ながら受賞には至りませんでした。

「阿修羅ガール」は、三島由紀夫賞を受賞しましたねぇ。この作品も、テーマは愛と捉えても、いいのかな……むー。

「熊の場所」も短篇集です。わたしは、収録作の「ピコーン!」が好きですが、周囲からはあまり理解されません(苦笑)




ここから入ると酷い目にあう二作品

舞城王太郎は、元々メフィスト賞から出てきた作家です。舞城をミステリ作家として認識している人はいらっしゃらないとは思いますが、まぁ、出身はミステリって事になるんでしょうか。

ミステリに対する舞城の姿勢は、デビューから一貫して「アンチミステリ」ではないかと思います。舞城流アンチミステリの総決算が、下記の二冊ではないでしょうか。
わたし的にはもう、「日本三大奇書と並べて語ってもいいんじゃないか」、そして「現代文学のひとつの到達点なんじゃないか」と思うほどの傑作なんですが……まったくもって、初めて舞城を読む方にはオススメができないほどのブッ飛びっぷりです。



最後に

舞城らしい舞城作品ほど、オススメしにくいというジレンマ!(笑)

文学よりの作品から入って、成雄サーガとか、奈津川サーガとか通って、最終的には「ディスコ探偵水曜日」にたどり着いていただければ、こんな紹介エントリを書いた甲斐があるってもんです。

しかし、「ディスコ探偵水曜日」の表紙は、ラノベと勘違いして買っちゃった人って、居らっしゃらないのでしょうか。表紙買いしてしまい、あまりのメタ展開に途方に暮れていらっしゃる方々……ご愁傷さまでございます。ぜひそこで挫折せず、あといくつか舞城作品を読んでいただければと思います。


2015/06/08追記

新刊も文庫化された作品も増えてきたので、新たにおすすめの四冊を選びなおしました。
最近の舞城のほうが、読みやすいかもしれませんね。

>>新・舞城王太郎に挑戦しようと思った人に、オススメしたい四冊

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