2014年3月16日日曜日

【二五五文字書評】君の名残を (下)/浅倉卓弥


これだけ骨太な源平物に、タイムスリップを持ち込む必然性があったのかと、小一時間ほど問い詰めたい……とは言うものの、時の流れに抗い翻弄されながらも、自らの役割を演じきる友恵と武蔵に魅せられ、総合的な感想としては「面白かった!」です。木曽義仲、熱いです。源義経、熱いです。そして二人を支える巴と弁慶に、スポットを当てたのは巧いですよね。友恵が巴に、武蔵が弁慶に、奇妙に絡み合う縁と運命。史実にはない深みをもたらしたのはやはりタイムスリップという設定であり、時を超える必然性を感じずにはいられません……って、あれ!?

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