2012年5月23日水曜日

【二五五文字書評】ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)/舞城王太郎


SF要素やメタ要素が混入している時点で、まともにミステリーが成立する訳がないんですよね。それなのに次から次へと、名探偵たちがミステリーの文脈で事件に挑み、当然のように散っていく。そんな推理と名探偵の浪費の果てに解き明かされるトリックは、やっぱり荒唐無稽なもの。前提から破綻しているミステリを、なぜ必死になって読んでいるのか……そりゃやっぱり、ブッ飛び加減が面白い訳ですよね。しかし何でもアリの前提なのに、とりあえずミステリの形をしているのは凄いかも。下巻では、更なるカオスへと叩きこまれそうな予感。楽しみです。

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