2012年4月10日火曜日

【二五五文字書評】ビッチマグネット/舞城王太郎


「好き好き~」に続く、芥川賞候補作。賞を意識してかどうか知らないが、舞城作品にしては珍しく毒が少ない。いつものテーマをお行儀よく書いたら、こうなりましたって感じ? グロテスクな装飾がない分、ストレートに響く。直球すぎて恥ずかしい位。テーマや主義主張は行間に滲ますのが良いらしいが、舞城の場合は主人公が内省してアレコレ語り尽くしてしまうし。俺的には「最後の家族(村上龍)」に通じる読後感なんだけどなぁ……芥川賞での村上龍の選評は、独特の構造を認めながらも「物語自体がおもしろくない」だった。受賞してほしかったな。

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