2012年3月2日金曜日

【二五五文字書評】熊の場所 (講談社文庫)/舞城王太郎


三編収録の短篇集。表題作『熊の場所』にある「恐怖を消し去るには、その源の場所に、すぐに戻らねばならない」という言葉は、村上龍『愛と幻想のファシズム』のエピソードが元になっていると思われる。これを父の言葉として語ったということは、村上作品を父と位置づける暗喩なのではないかと妄想が膨らむ。他作をみても、村上龍の影響を感じる部分は多い。『ピコーン』いいですねぇ。「取って付けたような見立て、無い方が良かったのでは?」的などうしょうもなさが好き。『バッド男』で展開される宗教観は、わたしの宗教観とよく合っていて好き。

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