2012年2月18日土曜日

【二五五文字書評】イビサ (講談社文庫)/村上龍


個人的には、村上龍の最高傑作だと思う。東京、パリからイビサへと至る、ロードムビー的な物語……ではなくて、エロ、グロ、オカルト詰め込んで、圧倒的なパワーで駆け抜ける内観の物語。そして、ラストは衝撃的。村上龍の作品を読んでいると、読み流せる内容ではないのに思考停止してしまい、ただただ急いで読み進めてしまうような事がある。この作品の場合は、その傾向が顕著。あとがきで「破滅的ストーリー」と紹介されているが、そのような印象は残らなかった。この作品に限らず、村上龍のあとがきは、額面通りに受け取ってはいけない気がする。

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