2013年1月10日木曜日

【二五五文字書評】昭和歌謡大全集 (集英社文庫)/村上龍


週刊誌連載の村上作品は、総じて酷い。調子に乗りすぎて雑だ。しかしその酷さがまた、面白さの源泉だったりするんだけど。若者とオバサンの血みどろ報復合戦を、昭和歌謡にのせて描く……ほら、設定からしてすでに酷い。報復はどんどんエスカレートして、ついには【自主規制】なんて事になるのだから、ストリーだって調子に乗っていて雑だ。でも、社会に適合できない登場人物たちが、報復の中で社会性や生きる楽しみを見いだしたりして……文学的な仕事も盛り込んでいるあたりはさすが。でも、最後には全部ブッ壊しちゃう辺りも、さすがと言うべき?

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