2012年12月9日日曜日

【二五五文字書評】新潮 2013年 01月号(Good But Not Some/舞城王太郎)


取り急ぎ、舞城王太郎『Good But Not Some』を読了。なんだろ、舞城的小説作法!? 振り返ってみれば小説家やその卵は登場人物としてけっこう出てくるし、そのたびに小説作法を披露してるよね。でも小説に関する蘊蓄を傾けたい訳ではなくて、いや多少はそういう部分もあるのかもしれないけど、やっぱり主人公の小説への姿勢を描くことで、周囲の人々やひいては社会との関わりを描こうとしているのだ。しかしどうして舞城作品には、いつも共感してしまうのだろう。本作ラストの“かけがえのないもの”への言及も、心に響きました。


おまけ

私たちはこの世界をより良くしたいと思うが、よりよいものと取り替えたいとは思わない。
世界は執着とか拘泥とか何となくの愛着じゃなく、愛情でもなく、ただひたすら自分自身と繋がっているからだ。自分自身を形作った要素であり、自分自身がそれを形作る要素嘘である、という、不可分な形で。
(舞城王太郎『Good But Not Some』より)


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