2016年3月16日水曜日

【二五五文字書評】歌うクジラ 上/村上龍


表題から勝手にちょっとオシャレな海洋アドベンチャーを想像していたけど、エログロ詰め込んで駆け抜けるいつもの村上龍だった。いや、今回エロ成分は控え目か。コインロッカー・ベイビーズの系譜に連なる作品ですよね。相変わらず、サブカル的な組み立てが巧いです。丁寧に作り込まれた近未来の舞台に踊る登場人物たち、言語、想像、意思……SF的展開に埋め込まれた主題は、コニュニケーションの問題か。物語の流れ着く先が全くもって予想できないけど、村上龍の事だからきっと血みどろロマンチック結末になるのではなかろうか。下巻に期待です。

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