2013年8月27日火曜日

【二五五文字書評】キミトピア/舞城王太郎


誰しもシンパシーを感じる作家との出会いがあるのだろうが、私にとっての舞城がまさにそれで七編すべて共感をもって読み進めた。特に『真夜中のブラブラ蜂』の“やりたい事への固執”と“一般常識とのズレ”には、強い共感が。主人公は行ったことのない場所をブラブラし続けたいのだけれど、家族は生産性のない行為が理解できない。価値観の相違で、巧く意思疎通できなくなる姿に息苦しさを感じる。それだけに主人公の中で円環が閉じた瞬間、電車で読んでいたにも関わらず涙が出そうに。『あまりぼっち』の主人公も好きだな。自分以外に興味が無い。


■収録作の感想、いくつかあります。
>>【二五五文字書評】新潮 2012年 01月号(やさしナリン/舞城王太郎)
>>【二五五文字書評】新潮 2012年 08月号(美味しいシャワーヘッド/舞城王太郎)

人気のエントリ