2012年8月24日金曜日

【二五五文字書評】彩紋家事件 (3) 彩紋家の一族 (講談社文庫)/清涼院流水


きたきた。御大ならではの、トンデモ展開。これを喜ぶようになったら、流水中毒でしょうか(笑) 好き嫌いは分かれるだろうけど、やっぱりプロットはすごい。そして他作品で広げた風呂敷や、次に広げる風呂敷にまでリンクして見せた。細部にまで強いこだわりをもつ作家だが、こだわりが自己満足方向に向いているため、細部に神が宿らない稀有な作家と言えるかも。語りたい事、試したい事が、無数にあるのは理解できるが、そぎ落とす事で物語の鋭さが増すのではないかと感じた。こだわりを捨て、描写力が増せば、すごい作家になると思うんだけどな。

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