2012年2月5日日曜日

【二五五文字書評】瓶詰の地獄 (角川文庫)/夢野久作


独白と書簡。究極の一人称とも言うべき様式が、独特の怪しさを醸し出します。「死後の恋」と「一足おさきに」が好きかも。昭和初期ってのも、また独特の怪しさがありますよね。【以下、ネタバレあり】瓶詰めの地獄は、書かれた順序が3→2→1で、最後の手紙は妹が書いたんじゃないかと思う。3が漂着まもなくで、2と1は禁をおかした後ですかね。矛盾を盛り込み、想像の余地を大きく残してこの短さにまとめ上げるあたり、さすがは夢野久作ですね。「死後の恋」の最後のつぶやきが秀逸。いつまでも心に残ります。「アナスタシヤ内親王殿下……。」

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