【ネタバレ注意!】
引き継いだのが、円城塔で良かったと思う。伊藤計劃が広げたスチームパンクに踊る、円城塔の筆が素晴らしい。伊藤氏お得意のオマージュを、さらに進めた借用につぐ借用。そして伊藤作品へのオマージュ。特にハーモニーのテーマを持ち込み、円城流の解答を示す辺りはさすが。でも、ザ・ワンが展開する円城節に、置いてけぼり食らう人は多そうだ。屍者フライデーに、円城氏を重ねて読むと味わい深い。伊藤計劃をインストールした意識なき記述者とするならば、エピローグで意識発現し独白する部分は、そのまま円城塔から伊藤計劃への熱きメッセージだ。