2012年1月17日火曜日

【二五五文字書評】皆月 (講談社文庫)/花村萬月


PC好きの橋梁設計者という、主人公の設定からしてまずい。PC好きの元橋梁設計者のわたしは、この設定だけで掴まれてしまいました。状況の違いはあれど、心情的に大きなシンパシーを感じてしまう。主人公ほどエッジに立たされてはいないけど、俺にも再生の物語が訪れるのだろうか……などと、珍しく自分事のように小説を読んでしまいました。性と暴力、相変わらずの花村節。刺激の強いモチーフを扱うと下世話な小説になってしまいそうなものだけど、文学的な主題を保ちながら物語を進める手腕はさすが。おっさんが活躍する小説は、結構好きです。

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